賃貸トラブル相談室報道局(新館)

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② 【家財撤去等】裁判所は保証会社に対して厳しいです。

とある相談者さんから、滞納を理由として、保証会社から家財撤去されたとの被害報告がありました。この保証会社は、強行なことで有名な保証会社です。、

 

過去ブログ「カプコエージェンシーの犯罪予告」

http://ameblo.jp/torabur/entry-12243014504.html

 

 

裁判所は、こうした不法行為について、どのように考えているのでしょうか?

 

裁判所の基本的な考え方

・ 家賃の滞納等の事情がある場合、契約書に家財撤去等を許容する条項がある場合、賃借人の署名がある場合等であっても、「緊急やむを得ない特別の事情があるとまでは認められない」「無断処分はいかなる理由によっても正当化できない」として、不法行為と判断され、慰謝料や物品の財産的損害賠償が認容する。

 

これが、裁判所の考え方なのですが「いかなる理由によっても正当化できない」としている点なのです。なぜならこれらの行為は、完全な「自力救済」に該当するのです。実は日本では、自力救済は禁止されているのです。

 

自力救済とは・・

自力救済の禁止とは、私人が法の定める手続によらずに自己の権利を実現することを禁止する原則を意味する。民事法では「自力救済」というのに対して、刑事法では「自救行為」というのが通例である。

自力救済の例として、借家人が家屋を立ち退かない場合に、家主が自己の実力で借家人を追い出すことなどが挙げられる。自力救済を許すと、過度の暴力が用いられたり、権利が無いにもかかわらず権利行使がなされるなど、社会秩序が混乱するおそれがある。そこで、国家権力が確立され、司法手続が十分に整備された今日においては、私人の権利の実現は司法手続を通して行われるべきであり、自力救済は許されないのが原則である。そのため、自力救済に対しては不法行為責任が認められる。

 

つまり、「私人が法的手続きを得ずに、勝手なことをやるな!」と言うことですね。こうした法律があり、過去に多くの保証会社や大家、管理会社が損害賠償を命じられていますが、それでも不法行為を繰り返す、保証会社を許してはいけません。だから、泣き寝入りをやめましょうね。

 

一部ですが、過去の判例を載せておきます。

事件①

過去に滞納(その後支払い)があり、さらに3か月分を滞納していた。管理会社が、賃料不払を理由とする解約通知書の送付等による督促を行った後、ドアノブに解錠できないよう金属製のカバーを取り付け、室内に入ることができないようにした。その際、賃借人の承諾を得ることなく、家財を持ち出し、処分した。

 

・判決

緊急やむを得ない特別の事情があるとまでは認められない。本件施錠行為及び処分行為は入居者に対する不法行為を構成するものであり、本件不法行為により入居者に与えた損害を賠償する義務を負うものというべきである。

 

事件②

賃借人は生活保護を受給しており、家賃は代理納付されていた(滞納はなし)。賃借人は入院中で、契約更新案内の連絡がつかなかったため、貸室を訪れたところ、ゴミが山積みになって、異臭が漂っていた。管理会社が、賃借人の不在中、貸室の残留物を撤去し、鍵を交換した。

・判決

賃貸借契約に「賃借人が無断不在1か月以上に及ぶ時は敷金の有無にかかわらず、本契約は当然解除され、賃貸人は立会の下に随意室内遺留品を任意の場所に保管し、又は売却処分の上債務に充当するも異議なき事」との条項があるからといって、自力救済が直ちに適法となるものではない。自力救済を認めるべき緊急やむを得ない特別の事情があるとは認められず、違法であり、不法行為に基づく損害賠償責任を負う。

 

事件③

賃料支払いが遅れがちで、2か月滞納したため、保証会社が、賃借人の承諾無く居室に入り、家財道具一切を搬出し、その翌日に賃借人から連絡を受け、翌々日に一部廃棄したものを除き返還した。

 

・判決

賃料の不払いがあるからといって、法律の定める手続によらずに、一方的に家財道具一切を搬出して居室の使用を妨げることが違法な行為に当たることは明らか。

 

事件④

家賃を滞納しがちであり、保証会社が、保証委託契約書に従って、一時的な貸室使用禁止措置をとることにし、玄関ドア部分の上部にダイアル式の別の鍵を取り付け、賃借人が貸室に立ち入ることができないようにした。ロックアウトは翌日には解除された。

 

・判決

住居で平穏に生活する権利は、人として社会生活を営む上で欠くことのできない重要な権利である上、貸室の一時使用禁止の措置は、賃料等の支払をさせたり、貸借物件から退去させる方法として、社会通念上通常のものであると認められる範囲を大きく超えているものといわざるを得ない。法的手続によったのでは権利の実現が不可能又は著しく困難であると認められる緊急やむを得ない特段の事情がある場合以外には許されないというべきであって、一時使用禁止条項は、そのような特段の事情があるとはいえない場合に適用されるときは、公序良俗に反して無効である。

 

 

事件⑤

約1年前から滞納するようになっており、管理会社が、玄関ドアをロックするように止め具をつけ、その止め具に南京錠をかけた。

 

・判決

法治国家においては、私人が司法手続によらず、自己の権利を実現するいわゆる自力救済は原則として禁止されており、例外的に事態の緊急性や損害回復の困難性等を要件として違法性が阻却される場合があり得ると解されるが、本件の場合、家賃をしばしば滞納していた事実があり、仮に賃借人に不誠実な対応があったとしても、未だ自力救済が社会的に容認されるような事情とは認められない。

 

事件⑥

約半年前から家賃の支払いに窮するようになっており、保証会社が、夜間の電話等の執拗な取立てや玄関ドアへの督促状の貼付けを行った。○解約通知書の貼付けを行った翌月、玄関ドアを南京錠で施錠した。

 

・判決

居住者の承諾無く入り口ドアを施錠して入室を阻む行為は、居住者の起臥寝食の場を奪い、かつ、住居内の家財道具の使用を妨害する行為であり、居住者の日常生活に著しい打撃を与えるものであるから、強度の違法性を有する行為ということができる。居住者が居室の占有権限を有さず、退去義務を負う場合であっても、当該居住者は、執行手続によるのでない限り、強制的に退去義務を履行した状態に置かれることはない。

 

事件⑦

6か月分滞納し、管理会社が、家賃支払督促状で、繰り返し「支払期限内に賃料等の入金のないときは、鍵をロックして(本件賃貸借契約を)解約する」旨を警告。賃借人が滞納賃料等を支払わず、連絡に応じなかったことから、管理会社が、合鍵を使用して室内に入り、賃借人の目の前で玄関鍵のシリンダーを交換し、家財道具を室外へ搬出。

 

・判決

本件賃貸借契約の合意解除は成立しておらず、賃借人の意思に反して、賃料等不払いを理由に貸室の明渡しの自力救済をし、賃借人による占有を実力で排除したのであるから、不法行為に該当するのは明らか。

 

事件⑧

約4か月滞納があり、管理会社が書面による督促したが、滞納家賃を解消できる見通しがなく、退去を要求した。賃借人は、その日に泊まる場所の当てもなかったが、逆らうことはできず、やむなく「残置物を処分しても異議を申し立てない」等を確認する旨の確認書に署名捺印し、物件から退去した。約半年後に、管理会社が、賃借人の家財等を廃棄処分した。

 

・判決

転居先の選定等を全く行っていない等の状況からすれば、賃借人が任意に本件物件から退去するとはおよそ考えられない。暴力的な行為までは行っておらず、また、退去要求の態様が、その行為自体が刑法上の脅迫、強要行為に該当する程度には至らない行為であったとしても、法的手続によることなく、着の身着のままでの退去を迫ること自体が社会的相当性に欠け、違法行為である。賃借人が残置した家財を管理会社が処分する権限は何もなく、確認書に賃借人が署名捺印したことによって家財を処分することに同意したものと評価できるわけではない。賃借人の有する財産権を侵害するものであって、不法行為に該当する。

 

 

まとめ。

こうした不法行為は、完全な違法行為と証明されているわけです。

悪質な業者は成敗すべきですね。

 

次回は「取り立ての張り紙」について書きたいと思います。、

 

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