賃貸トラブル相談室報道局(新館)

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①【カギ交換】裁判所は保証会社に対して厳しいです。

こんにちは。

早くも4月に入り、さくらも咲く季節となりました。今年こそは、お花見に行きたいところです。

私も仕事の関係で、埼玉県熊谷市に6年ほど赴任しておりましたが、熊谷はサクラも有名なんですよね~。特に荒川の土手沿いなんか最高でして、多くの花見客がいました。でも、熊谷って、盆地のようで、夏は40度、冬は空っ風が凄くて寒いです。6年間住んでいて感じたことは、「田舎っていいな」と思います。農家の人も親切だし、なによりのんびり暮らせます。出来れば将来は、海沿いの景色が良いところが希望ですね。

 

さてさて、本題ですが、私もいろいろな裁判資料を取り寄せて勉強しておりますが、ここ10年位前から、保証会社の不法行為に対する裁判所の姿勢が厳しさを増している感じがします。

 

そこで、今日から、保証会社の不法行為に対して、過去の判例を掲載したいと思います。

 

不法行為と言えば、・・・・

・カギ交換

・家財撤去

・張り紙

・執拗な督促

この4種類が上げられますが、第一回目は「カギ交換」による判例を書きたいと思います。

 

事例内容(取立て行為の態様等) 
・ケース①

過去に滞納(その後支払い)があり、さらに3か月分を滞納していた。管理会社が、賃料不払を理由とする解約通知書の送付等による督促を行った後、ドアノブに解錠できないよう金属製のカバーを取り付け、室内に入ることができないようにした。

●判決内容

緊急やむを得ない特別の事情があるとまでは認められない。本件施錠行為及び処分行為は入居者に対する不法行為を構成するものであり、本件不法行為により入居者に与えた損害を賠償する義務を負うものというべきであるから、損害賠償金を賃借人に対して支払え。

 

・ケース②

賃料の滞納に際して、賃貸人が、定める期日までに支払がなかった場合には鍵を交換すると伝え、玄関の鍵をシリンダーごと交換し、居室に入ることができない状態にした。○延滞賃料等の支払いがあり、鍵を戻したが、さらに滞納があり、2か月後に再度同様の鍵交換をした。

●判決内容

本件鍵交換は、法律の定める手続によらずに、一方的に本件居室の賃借人の居住を妨げる違法な行為であることが明らかである。鍵交換以前に本件居室の賃料を滞納しているが、このような事情は、鍵交換の違法性を阻却すべき事情とは認められない。損害賠償金を賃借人に対して支払え。

 

・ケース③

契約解除(確定判決あり)後も入居者は当該建物に居住し続けたが、賃料は支払わず、保証会社が約1年半損害金を支払い続けた。1年半後、管理会社が、住宅に赴き、貼り紙を貼ったり、家賃督促のハガキを入れたり、ドアの鍵部分にカバーを掛けたりした。その後、入居者が賃料の一部を入金したため、鍵を開けた。○その約10カ月後、住宅に赴き、同様に貼り紙、家賃督促、ドアの鍵部分のカバー掛けを行い、ドアに「荷物は全て出しました」との貼り紙をした。翌日、入居者の代理人から電話があり、ドアを開けるよう言われたので開けた。

●判決内容

入居者に義務の履行に関する意識の欠如が認められる上、対処すべき事柄においても誠実さは感じられない。しかしながら、勝手にドアの鍵部分にカバーを掛け、入室できない状況を作る行為は、社会的行為として許されるものではなく、何ら言い訳のできない不法行為といえる。賃貸人は、本件賃貸借契約について確定判決により債務名義を得ているにもかかわらず、公権力による明渡しを実行せず、居住を黙認した上、滞納家賃の取立て等のため個別に管理会社に委任した事実が認められ、その結果、管理会社が不法行為を行ったため、不法行為が存することは明らか。本件においては、賃貸人が家賃の取立て等を個別に管理会社に委任した事実が認められることからすると、委任者と受任者との間に指揮監督の関係が残されている場合と考えられ、民法709条のみならず715条(使用者責任)によっても賃貸人に不法行為が認められる。損害賠償金を賃借人に対して支払え。(保証会社に依頼した大家も連帯責任を取れ)

 

・ケース④

滞納があり、念書等を作成したが約束が守られず、管理会社が賃借人に無断で鍵を交換して入室を不可能にし、5日後に解錠した。

●判決内容

鍵の交換により使用収益権を一方的に奪った行為は我が国の法制度として自力救済を原則として禁止する趣旨を踏みにじり、例外的に許容されるやむを得ない特段の事情も認められない本件ではこれらの行為が民法709条の不法行為に当たることは言うまでもない。損害賠償金を賃借人に対して支払え。

 

・ケース⑤

滞納を繰り返し、電話連絡したが支払いがなかったため、保証会社が、予告通知書を送付し、住戸の一時使用禁止措置の決定通知書を玄関に貼り付けるとともに、玄関ドア上部にダイアル式の別の鍵を取り付けた。

●判決内容

同行為は、法律上定められた明渡の手続を経ることなく、一時的とはいえ賃借人の同意もなく賃借物件に対する占有を排除するものであるから、特段の事情がない限り、不法行為を構成するというべき。賃借物の使用収益は賃貸借契約の本質的要素を構成するものであるから、連絡手段を確保する程度の必要性をもって、一時的とはいえ剥奪する手段を行使したことが社会通念上相当と認める範囲にとどまるとは到底解し得ない。損害賠償金を賃借人に対して支払え。

 

これ以外にも、多数の判例がありますが、多すぎて記載できませんので、ここまでです。

裁判所の判例が、だんだん厳しくなっていますが、その背景には・・・

 

最高裁判決において、自力救済は原則禁止されており、極めて例外的な場合においてのみ認められることとされている。 以下のとおり、取立て行為(鍵交換等、家財撤去等、貼り紙、執拗な督促)を不法行為とする判決が出されている。

(参考)最高裁昭和40年12月7日判決
私力の行使は、原則として法の禁止するところであるが、法律に定める手続によったのでは、権利に対する違法な侵害に対抗して現状を維持することが不可能又は著しく困難であると認められる緊急やむを得ない特別の事情が存する場合においてのみ、その必要の限度を超えない範囲内で、例外的に許されるものと解することを妨げない

 

つまり、裁判所も、保証会社に対して

「おまえら!」

「いい加減にさらせよ!」

「しばくぞコラ!」

「裁判所をなめてんのか!」

と言う裁判官の気持ちが出ている気がしてます。(推測)

 

次回は、「家財撤去」に付いて書く予定です。