賃貸トラブル相談室報道局(新館)

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短期解約違約金は有効なのか?

そろそろ梅雨入りな雰囲気になって来ましたね。

 

さてさて、今日は「短期解約違約金」についてのお話です。

 

ほとんどの消費者は、賃貸借契約の裏面に記載されている「特約条項」に付いて、どんな条項が記載されているのか、知らないで契約をしてしまうケースも多々あるようです。

 

この契約書の場合は「1年以内の契約解除の場合は、短期解約違約金として、2ヶ月分の賃料相当額を支払う」と記載されています。

 

この違約金システムは、10年前位から散見されていましたが、おもに「礼金ゼロ・敷金ゼロ」の物件だけに使われていました。それが最近は、一般の物件にも及んで来ております。

 

この短期解約違約金は、法的には有効なのか無効なのかは、判断が分かれていうのが現状だと考えられます。

 

①不動産流津推進センターは、「短期解約違約金の2ヶ月分は無効」「1ヶ月分なら有効」としていますが、その根拠として、下記の判例を示しております。

 

 東京簡裁平成21年8月7日(要旨)
 賃貸借契約において、賃借人が契約期間途中で解約する場合の違約金額をどのように設定するかは、原則として契約自由の原則にゆだねられると解される。しかし、その具体的内容が賃借人に一方的に不利益で、解約権を著しく制約する場合には、消費者契約法10条に反して無効となるか、又は同法9条1号に反して一部無効となる場合があり得ると解される。
 途中解約について違約金支払を合意することは賃借人の解約権を制約することは明らかであるが、賃貸開始より1年未満で解約する場合に違約金として賃料の2か月分、1年以上2年未満で解約する場合に違約金として賃料の1か月分を支払うという本件契約上の定めが、民法その他の法律の任意規定の適用による場合に比して、消費者の権利を制限し又は義務を加重して、民法1条2項の信義則に反し消費者の利益を一方的に害するものとして一律に無効としなければならないものとまではいえない。
 しかし、一般の居住用建物の賃貸借契約においては、途中解約の場合に支払うべき違約金額は賃料の1か月分とする例が多数と認められ、次の入居者を獲得するまでの一般的な所要期間としても相当と認められること、賃貸人が主張する途中解約の場合の損害内容はいずれも具体的に立証されていないこと、および弁論の全趣旨に照らすと、解約により賃貸人が受けることがある平均的な損害は賃料の1か月相当額であると認めるのが相当である。

参照判例

 東京地裁平成8年8月22日 判タ933号155頁(要旨)
 建物賃貸借契約において、1年以上20年以内の期間を定め、期間途中での賃借人からの解約を禁止し、期間途中での解約又は解除があった場合には、違約金を支払う旨の約定自体は有効である。しかし、違約金の金額が高額になると、賃借人からの解約が事実上不可能になり、経済的に弱い立場にあることが多い賃借人に著しい不利益を与えるとともに、賃貸人が早期に次の賃借人を確保した場合には事実上賃料の二重取りに近い結果になるから、諸般の事情を考慮した上で、公序良俗に反して無効と評価される部分もある。

 

つまり、短期解約違約金は、1月分なら有効であり、それ以上は無効であると、裁判所は判断をしているという事です。これらの事から、この契約書は、記載があり、署名が合ったとしても、消費者契約法9条および10条により無効とされると言う事ですから、支払い義務は無いと言う事になります。

 

しかし、全国宅地建物取引業保証協会では、まったく異なる見解を出しております。そうです、過去の更新料裁判や、敷引き裁判では、最高裁で、有効とされたのだから、「2ヶ月の短期解約違約金も有効」であるとしています。

 

まあ、この「全国宅地建物取引業保証協会」と言うのは、不動産業者の寄合団体ですから、自分の利益になるように誘導していると考えられます。

 

いずれ、近いうちに、改めて裁判で争う事になると思われます。

 

当然ですが、私は「2ヶ月分の短期解約違約金は無効」と考えております。

なぜなら、現段階では、こうした違約金が発生する事を「重要事項説明書」に記載していないからです。

 

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