大阪地裁で争われていた、フォーシーズの不当条項をめぐる、判決がでました。
賃貸物件の「追い出し条項」 一部違法判決 大阪地裁
賃貸物件の借り手に一方的に退去を迫る「追い出し条項」は違法だとして、NPO法人「消費者支援機構関西」(大阪市)が家賃保証会社に条項を使わないよう求めた訴訟の判決で、大阪地裁は21日、一部の条項の使用差し止めを命じた。西村欣也裁判長は、家賃を2カ月以上滞納するなどした場合に明け渡しを可能にする条項は消費者契約法に反すると判断した。
家賃保証会社は委託料を取って借り手の連帯保証人になり、滞納時に家賃を肩代わりする。条項自体を違法と認める判決は異例で、同様の条項を用いる業者に影響を与える可能性がある。
判決などによると、家賃保証会社「フォーシーズ」(東京)は、借り手が家賃を2カ月以上滞納して連絡を絶つなどした場合、物件を明け渡したとみなすと規定。電気や水道の利用状況も勘案し、家具や荷物を搬出できると定めている。
西村裁判長は、賃貸借契約が終了していない段階で勝手に荷物を持ち出すのは不法行為に当たると指摘。撤去されても異議を言えないとしており、消費者契約法の禁止事項に該当すると判断した。
一方、3カ月分の家賃を滞納すると一方的に賃貸借契約を解除できる条項については「(業者が)リスクをコントロールする権限で、不合理ではない」として適法と判断した。
NPO側代理人の増田尚弁護士は「条項は強引な家賃取り立ての盾として使われ、借り手の権利を侵害している。業界への警鐘になるだろう」と話した。
フォーシーズ側は、一部が違法とされた点を不服として控訴する方針。【村松洋】
毎日新聞 引用
https://mainichi.jp/articles/20190621/k00/00m/040/260000c
主任相談員からの寄稿
この判決を見て感じたのは、「保証会社が家賃滞納を理由として、賃貸借契約を解除できる」という条項が違法だという判決ですが、こんなことは裁判をしなくても、誰でもわかることです。そもそも賃借人は大家さんから、部屋を借りている訳ですから、無関係の保証会社が契約解除できる訳がないのです。
それと、不当判決だと思うのは、3ヶ月以上の滞納をした場合は、保証会社の必要以上のリスクを回避させるために、「3カ月分の家賃を滞納すると一方的に賃貸借契約を解除できる条項については「(業者が)リスクをコントロールする権限で、不合理ではない」として適法と判断した部分です。
この部分に関しては、なぜ、裁判所が「保証会社の経営を忖度してるんだよ」という事です。「3ヶ月以上たったら、賃貸借契約を解除できることを認めてあげないと、保証会社がつぶれてしまうから、契約解除を認めましょう。」と言っているのと同じです。
そんなに簡単につぶれる事業ならば、さっさと撤退すれば良いだけですから、裁判所が経営について踏み込むべきではありません。
今回の判決は、消費者支援機構関西の事実上の敗北でしょう。お世辞にも勝ったとは言えないです。個人的な見解ですが、このNPOは消費者契約法の専門家集団だとは思いますが、賃貸住宅業界・保証業界については知見が不足していると言えるでしょう。だから、こんな判決が出てしまうのです。
また、消費者支援機構関西は、あくまで消費者契約法に違反していると考えられる条項差し止めを提起している団体ですので、やはり限界にきたという感じは否めません。将棋に例えるならば、ある程度は詰めて来るのですが詰め切れないのです。
この判決を機にして、各保証会社の条項には「3カ月分の家賃を滞納すると賃貸借契約を解除できる条項」か加えられることでしょう。
審理中にも弁論準備の機会があったはずですが、「リスクをコントロール」について、なぜ入れてしまったのでしょうか?
ほんとうに消費者支援機構関西は情けないですね。
本当にがっかりです。
少なくても、フォーシーズの弁護士の方が上手ですよ。
あの白ぶちの眼鏡の奥から光る眼・・
消費者支援機構関西には「喝!」を送ります。
フォーシーズの弁護士には、「世間をなめるなよ!」を送ります。
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