この事件は、アパートを借りた際に、賃料1ケ月分の仲介手数料を支払った借り主の男性が「原則は賃料0・5ケ月分だ」として、仲介業者の東急リバブルに手数料の一部返還を求めた訴訟です。
原告 入居者
被告 東急リバブル
一審 東京簡易裁判所 原告敗訴 判決 返還する必要なし
二審 東京地方裁判所 被告敗訴 判決 仲介手数料の0.5か月分を返金しろ。
東京地裁は、一審の判決を取り消し、「業者が男性から承諾を得ていなかった」として男性の請求を認めた。アパートの仲介手数料は、原則0・5カ月、上限1カ月分と定められているが、1カ月分の手数料を請求する業者が一般的ですが、判決は仲介実務に影響を与えることは必至である。
もともと仲介手数料は、国の告示により賃料の50%を入居希望者から、受け取ることが出来ると定められています。しかし実務的には、仲介業者は、賃料の100%を入居希望者に請求しております。
不動産業界は、非常にわかりにくにシステムなのですが、正確には、「入居希望者50%・大家 50%」が、それぞれ負担するのが決まりです。
ただ、例外としてですが、大家さんが負担すべき仲介手数料50%を、入居希望者が負担することに同意した場合のみ、入居希望者に100%請求することが出来るのです。
それにも拘らず、仲介業者がこれを説明せず、ただ単に「仲介手数料1カ月」としていたので、裁判所は「説明がされていない」として返金を命じたものです。
これに対して、東急リバブルは、控訴して徹底抗戦の姿勢です。
不動産業界では、「騙される方が悪い」という慣習があるので、こうした悪慣習は是正する必要があります。