保証会社が、家賃や修繕費(いわゆる原状回復費)を、賃貸人へ立て替えることを代位弁済と言います。
代位弁済を行いますと、大家さんへの債務は消滅しますが、その代わりに、保証会社に対しての債務が発生します。
保証会社が、債権者となる訳ですが、保証会社が得た権利を「求償権」と言います。
今回のお話ですが、原状回復費用について、賃借人が承諾していないにも関わらず、保証会社が代位弁済をしたしまうケースがありますが、裁判になった事例があります。
この裁判では、裁判所は下記のような判断をしました。
事件名
求償金請求事件
原告 全保連株式会社
被告 賃借人 ●●●
裁判官
それでは判決を言い渡します。
主文
原告(全保連)の請求を棄却する。
訴訟費用は原告の負担とする。
(抜粋)
原告(全保連)の請求によれば、被告(賃借人)は、貸室において喫煙をし、壁クロスを汚損させた事実を認めているから、求償権を得たと主張をする。しかし、一般的に、賃貸人と賃借人の間に於いて、修繕費等に付いて、争いがあり、合意に至っていないのに、賃貸人が原告に代位弁済を求めることは、賃借人の修繕費の解決を複雑にし、その後の修繕費の支払いを煩雑にするものであり、信義則上からも許されないものと解する。また、原告の保証契約書によれば、修繕費の保証範囲として、「退去時に、賃借人が認めていない修繕費は保証外とします。」との記載があるにもかかわらず、原告は被告に対して、修繕費の争いがあるかの確認もせずに、賃貸人の求めに応じて代位弁済をしたものであると認められる。これらの事から、原告の請求根拠とする、被告が喫煙をしていたという事実を証明する物的証拠は得ておらず合理的な証拠物を有していないから、原告の主張は採用すること出来ない。よって、原告の請求は理由がないから棄却することとし、次のように判決する。
以上
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